ハンコ文化と日本人・印鑑まめ知識

印鑑登録と抹消手続き

 印鑑を、実印として使うには印鑑登録が必要で、登録証を発行してもらうことで印鑑証明書が発行できるようになります。
 印鑑登録は、運転免許証などの身分証明書となるものと印鑑を持って、自分の住民票がある市区町村役場で行います。登録費用は役場によって異なりますが、数百円程度です。この印鑑登録は本人でなければできません。
 こうして無事印鑑登録が済むと、ようやく印鑑証明書を発行することができます。こちらは印鑑登録証さえあれば、委任状による発行も可能になります。
 それでは一度登録した印鑑を、抹消したり変更したりする事はできるのでしょうか。もちろんこれはできます。そもそも印鑑は消耗品とは言いませんが、破損や劣化があって当然のものです。ひとり、ひとつしか登録できませんから、当然可能になります。ですから実印登録の抹消に、実印は必要ではなく、印鑑登録と同様に本人が出向いて手続きをするのが原則です。
 主に印鑑登録を抹消するケースは、引越で住民票の移動がある場合や、結婚、離婚に伴う姓の変更などです。ですが、中には登録した印鑑の紛失や、登録証の紛失によるものもあります。実印はめったに使うものではありませんから、中にはどこにしまったか忘れてしまう事もあるようです。いずれにせよ、誰かに拾われたり、盗まれたままで登録しておくと、不動産を乗っ取られたりする危険もありますので、すぐに手続きするのが基本です。
 ちなみに、登録証がなく実印がある場合、登録証の再発行はできません。一度登録抹消してからであれば同じ印鑑を実印として登録することは可能になります。なぜこんな面倒な事になっているのかというと、もちろん登録証があれば実印がなくとも印鑑証明書が発行できるからです。実印を偽造する事ができれば、実印と登録証をセットで無くした場合と同様に危険ですから、再登録ではなく、新しい印鑑で実印を作った方が安心です。